社長対談

社長対談

北京語大学 副教授 趙菁(ちょうせい)氏

荻野 正昭

ISIグループ代表

北京語大学 副教授 趙菁(ちょうせい)氏

北京語大学 東京校前校長・北京語大学 副教授

対談INTERVIEW

中国国内最高レベルの中国語教育を日本で。

ISIグループ荻野代表と北京語言大学東京校 趙菁校長に、北京語言大学東京校開学の背景から現在の状況、そしてその未来像について語っていただきました。

中国語教育の名門国立大学が東京に開学する理由。

荻野 去る4月1日、北京語言大学東京校の開学式及び第一期生の入学式が挙行されました。中国教育部直轄の重点大学が日本に分校を設置するのはこれが初めてになります。私どもISIは、北京語言大学との長年にわたる交流を経て、双方の信頼関係の下、この度の東京校開学に至りました。北京本校では崔学長をはじめ、国際合作交流処の皆様には、東京校開学に向け格段のご理解ご協力をいただきました。また、東京校校長として、趙菁校長をお迎えすることができ、教職員一同喜び感謝しています。

趙菁 荻野さんも北京本校で学ばれたことがあるそうですね。

荻野 1996年9月から翌年5月までお世話になりました。12月のHSK(中国語の検定試験)で6級を取得するという高い目標があったので、中国語の教育実績で最も定評のある北京語言大学を選びました。そこで教わった先生方は皆さん熱心で、教材やカリキュラムも大学独自で開発された素晴らしいものでした。おかげさまでHSKにも無事合格できました。

趙菁 北京語言大学は、外国人留学生に対する中国語教育の分野では、歴史、規模、教育の質、どれをとっても中国で一番の大学です。1962年の創立以来、延べ15万人以上の外国人留学生を受け入れてきた実績があります。現在も北京本校では約1万人の留学生が中国人学生と共に学んでいます。

荻野 当時私が学んだころもキャンパスには世界中から留学生が集まっており、まるで外国のような雰囲気でした。高校を卒業して間もなく留学した私にとって、とても刺激的な環境だったのでよく覚えています。
さて、そんな中国の名門大学がなぜ今、日本に分校を?というのはよく訊かれる質問だと思いますが、趙校長はどのようにお考えですか?

趙菁 1972年の日中国交正常化以来、両国の関係は深く、北京本校で学ぶ日本人留学生の数でも日本は常に上位5カ国以内に入っていました。しかし、近年その数は減少傾向にあります。日本では少子高齢化が進み、家庭の状況や日本での就職活動を考え、長期の海外留学を諦める人も少なくないと聞きます。一方で中国経済の急速な発展に伴い、経済界を中心に中国語人材への期待は非常に高まっています。
それなら、我々が日本に拠点を置き、中国語や中国文化を学ぶ意欲のある学生たちに、中国本校と同じカリキュラムで質の高い中国語教育を提供しようというのが東京校を開学した動機です。

荻野 私は、世界の中国語教育をリードし、多くの中国語人材を育成・輩出してきた北京語言大学だからこそ、大きな意義があると思っています。東京校の開学によって、学生に本場の授業を国内で受ける機会を提供するだけでなく、もっと広く国内の中国語教育者や教育機関に対しても、様々な貢献ができると思いますし、また実際そのような活動展開を計画しています。

ゼロからの中国語。4カ月でHSK2級相当レベルに。

荻野 開学からまもなく4カ月になりますが、東京校では現在どのような授業を行っていますか?

趙菁 北京語言大学では、「言語能力」と「専門知識」の両方を兼ね備えた人材の育成を目指しています。
1・2年次の学習では、学生が早期に言語力を身につけ、1年次の間にHSK4級に、2年次でHSK5級のレベルに到達することが主な目的です。3年次からは直接中国語を用いて各専門課程を学び、どのような環境や状況でも通用する高水準の中国語人材の育成を始めます。
4月に入学した学生たちは、教育カリキュラムや教材、評価方法など中国語教育の最先端を行く北京本校のものを取り入れて学習していますので、効率よく習得できると思います。

荻野 学生たちに変化や成長は見られますか?

趙菁 4月入学の学生は中国語学習経験ゼロの状態から学び始めたため一言も中国語を話せないレベルでしたが、既に4カ月の学習を経てこれまで600語近くの単語と300以上の常用文を学んできました。日常会話についても一場面につき複数の対応パターンを理解しています。読み書き会話の技能もそれぞれに向上しているので、総合力でいえばHSK2級相当のレベルに到達していると思われます。
また、5月に修学レクリエーションを、6月と7月にそれぞれ中国文化講座を行いました。この時の学生の生き生きとした表情は忘れられません。中国文化講座は中国書画と太極拳です。中国文化に関心を持っている学生は中国語にもより意欲的に取り組んでいると感じました。このようなやる気を引き出す取り組みも学生に対しては必要ですね。その結果でしょうか、オフィスアワーという週1回実施している中国語質問時間への申込者はイベント実施後に増加し、コミュニケーションの機会も増え相乗効果があったと思います。

荻野 私の経験では、中国語で最も重要かつ難しいのは「発音」です。日本人にとって中国語の発音は非常に難しく、声調(音の高低)も同時に覚える必要があるので多くの学生は初級の段階で苦労します。ただ、日本人や漢字がある程度分かる外国人であれば、入学後半年もすればちょっとした会話が可能になります。一期生は日本人以外の留学生も多いので、学校内では中国語を公用語として使用することをお勧めしたいです。とにかく中国語で話す練習をすることが、発音や表現力の習得につながると思います。

北京語言大学東京校が目指す未来。

荻野 将来的にどのような大学にしていきたいとお考えですか?

趙菁 北京本校は、東京校に対して、中国国内最高レベルの中国語教育システム、コース設定、カリキュラム、授業、教師陣を提供すると同時に、東京3年+北京1年、東京2年+北京2年、東京3年+英語圏1年など、東京校独自のフレキシブルなコースを展開していく予定です。
最初の3年間は穏やかな発展を、次の3年間は発展のスピードを速め、2020年には千人規模の学校になることを計画しています。
また荻野さんが先程おっしゃったとおり、学生向けだけでなく、一般の方を対象にした公開講座や教員養成講座なども続々開講していく予定です。東京校が中国語教育や中国文化の発信基地となれるよう頑張っていきたいと思います。

荻野 まだまだスタートしたばかりの東京校ですが、多方面から多くの期待を受けています。その期待に応えるべく活動を広げていき、日中両国友好の一層の発展につながるよう努力していきたいと考えています。これからも引き続きよろしくお願いいたします。

北京語大学 副教授 趙菁(ちょうせい)氏

●1985年 北京大学 中国語文学学部中国語学科 卒業
●2005年 北京語言大学 言語文字学修士学位 取得

長年、外国人留学生(4年制本科)に対する中国語教育を担当し、日本、韓国、アメリカ等の海外における長期中国語教育経験も持つ。
これまで20科目に及ぶ中国語教育関連科目を担当。多数の教材編集について主幹を務め、中国の省級表彰を受けている。
2007年から北京語言大学漢語学院の中国語教育管理業務に携わり、2008年には所属する漢語学院教育チームが北京市優秀教育チームとして表彰され、2009年には国家級優秀教育チームに入選した。2010年にはアメリカにある孔子学院中国方院長に就任。2011年に国家中国語国際推進弁公室の最先端孔子学院として評価され、2012年にはアメリカのサウスカロライナ大学の金鶏賞を受賞した。2012年から2014年まで漢語学院教務担当副院長。2015年4月 東京校校長に就任。